させる・あげるから伝わるもの

子どもと接する仕事をしていると、時々
「~~してあげる」
「~~させる」という「言い回し」をよく耳にします。

子どもは何もできない存在だから、おとなが「させる」「あげる」と言っているのならまだしも、子どもを一人の存在として敬意を払い、子どもの尊厳を大事にしたいと願っている人でさえ、「させる」「あげる」と安易ないい回しを使っている。そんな場面に出くわすと、ちょっとめげてしまう。

どこまで上から目線なんだろうか・・・
「優しい親」「優しい人」「優しい先生」???

いやいや、言霊とはよく言ったものだ。
言葉にこだわりすぎるのは良くないと思うが、
言葉にこだわるということは、理念や哲学でもあると思う。

どうぞ、皆さま
一度、気にしてみてください。
ご自分が小さき人や、弱っている人に対して「させる」「あげる」と使っていないかどうか。

自分が大病したり、大けがしたり、障害をもっていると
いかに「させる」「あげる」が「かわいそうな人」と烙印を押されたようで自尊心を傷つけられるか。それなのに、相手は善意だから言い返すことすらできない。そんな経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

エンパワメントとは、「させる」「あげる」の正反対のアプローチ。
当事者が自分で選択し、決定できる環境を整えるアプローチだから。

ちょっとした意識から、自分のアプローチが変化するんじゃないかと
私は考えています。